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年金記録に潜む問題点

年金記録入力ミスだけが間違いのもとではないことが、第二の年金記録問題の深刻な問題としてあがってきているのです。

第二の年金記録問題とは、「改ざん」です。
年金記録の改ざんとは、勤務先の会社が年金を滞納していたり、年金を納めずに使い込んでしまったり、保険料を減額するために標準報酬月額を引き下げるなどの改ざんが行なわれていたというのです。

厚生年金の保険料は、標準報酬月額に保険料率を掛け合わせた金額を労使折半で支払うことになっているのですが、標準報酬月額を下げれば、会社の負担が減ることになるのです。

20年ほど前までは、従業員から保険料を取っていながら、社会保険から脱退するための偽装倒産があったのです。

当時は、脱退届を提出するだけで簡単に受理されていたのです。
現在は、脱退届を提出する際は、閉鎖登記簿謄本などが必要となっています。

勤務先の会社による年金の改ざんは、社会保険事務所の助言がなければできるものではないということのようですし、なんと社会保険事務所が改ざんを持ちかけてくることもあったと、ある社会保険労務士は話しているというのです。

なんでも保険料の改ざんは、社会保険事務所にとっても徴収率の向上という大きなメリットがあったからだというのです。

社会保険事務所では、徴収をあずかる部門で、徴収率アップの実績を上げると出世コースに乗れたのだというのです。

社会保険事務所にとって、保険料を滞納している会社から徴収することは至難の業で、減額してでも払って貰った方が実績が上がることになります。

社会保険事務所の担当者は、実績づくりに走る土壌があったというのです。

保険料の改ざんは、会社と社会保険事務所の双方にメリットがあったのだというのです。

保険料の改ざんの問題点

保険料の改ざんを見破るには、
昔、勤めていた期間を覚えていて、給料の額まで覚えていなければいけない。
給料明細書や銀行振込の記録が残っていなければいけない。
給料が30万円だったのに、9万8000円に金額が極端に引き下げられていても、ひと目でわかるようなケースを除いて改ざんの発見は、難しいのようです。

届いている「ねんきん特別便」も加入期間が記載されているのですが、標準報酬月額は記載されていません。

2009年春から発送される「ねんきん定期便」には、標準報酬月額が記載されますが、現役加入世代のみで、現受給者には送られません。

現在の受給者は、自ら調べるしかないのです。

年金記録改ざんの有無を調べる方法は、
1)社会保険事務所に足を運び、「被保険者記録照会回答票」を請求する。
2)社保庁のホームページ経由で標準報酬月額を確認する。

年金記録改ざん問題に対して国は、国民年金なども合わせた計約8億5000万件の紙台帳記録について、年金受給者のうち申し出のあった人のみを照会するとしています。それは全件照会が、コストがかかるということで及び腰になっているからです。

年金記録改ざん問題に批判が噴出して、全件照会をすることに方針転換を迫られた場合は別ですが、紙台帳の記録で文字が判読できないものもあるなど、照会の実効性に疑問が残るのです。

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