発達障害の現状と注意点のTOPに戻る


注意欠陥多動性障害の現状

発達障害の1つに、注意欠陥多動性障害(Attention Deficit/Hyperactivity Disorders:AD/HD)と呼ばれるものがあります。これは落ち着きがない、多動性が高いなどの症状が見られる障害で、小学校入学頃までに発覚するケースが多いと言われています。

小さな子供と言うのは、概して好奇心旺盛で落ち着きがないものです。その落ち着きのなさが好奇心や積極性の表れなのか、または発達障害によるものなのかは、幼児期には判断が困難だと言わざるを得ません。そのため、社会性が身に付いて落ち着いた行動が取れるようになる小学校入学程度の年齢にならないと、発覚しないことが多いようです。

注意欠陥多動性障害は、考えるより先に行動に出てしまうのが特徴です。一般的に、小学生くらいになれば、授業中はじっと座っていなければならないという判断ができるようになっています。また1人だけ動き回ることを恥ずかしいと感じたり、動いて先生に怒られるのが嫌だと考えるようになるため、退屈でも我慢して座っていられるようになるわけです。

注意欠陥多動性障害の場合、そう考えるより先に動いてしまうため、授業中でも座っていられず歩きまわったり、じっとしていることができないなどの傾向があります。その他、忘れ物を頻繁にする、教師の指示を聞くことができない、また順番を守れないなどの様子があまりに顕著な場合は、発達障害を疑った方がいいかもしれません。

注意欠陥多動性障害は、原因も治療法もいまだはっきりしていませんが、脳内ドーパミン量が関係しているのではと考えられています。薬物療法や行動療法が症状の改善に有効で、忍耐強い治療で問題行動が減少していくケースも多いようです。

関連コンテンツ

学習障害の現状

学習障害(Learning Disorders:LD)とは、読書や字を書くなどの学習が困難になる障害で、発達障害の一種と考えられています。発症率は100分の1程度で、女子よりも男子に多い障害だと言われ・・・

精神遅延の現状

精神遅延という言葉は、一般的にはあまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、知的障害と言うとピンと来る人が多いと思います。近年、国際学会が精神遅延という言葉を使用したことから、この表現が徐々に浸透しつ・・・

特定不能の広汎性発達障害の現状

発達障害の中には、特定不能の広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorder - Not Otherwise Specified)と呼ばれるものがあります。これらはPD・・・

レット症候群の現状

発達障害の中には、女子にしか発症しないものもあります。それがレット症候群です。レット症候群が女子にしか見られない理由は、症状が現れる原因がX染色体の突然変異にあるためです。知能や運動能力の遅れと共に、・・・

小児期崩壊性障害の現状

発達障害の中でも極めて重い症状があるとされているのが、小児期崩壊性障害(Childhood Disintegrative Disorders:CDD)で、小児期崩壊性障害について聞いたことのある人は、・・・

サヴァン症候群の現状

発達障害の患者には、知的障害や社会性の欠如などの問題が見られますが、一方で秀でた能力を持つケースがあります。 自閉症の一種に「サヴァン症候群(savant syndrome)」と呼ばれる症状があ・・・

自閉症の現状

発達障害の中でも最も広く知られているのが、自閉症です。現在では自閉症という言葉を知らない人はほとんどなく、世間における認知度もかなり高まっています。自閉症は自閉性障害の略で、別名カナー症候群とも呼ばれ・・・

広汎性発達障害の現状

発達障害の中でも多く見られるのが、広汎性発達障害です。 広汎性発達障害は、PDD(Pervasive Developmental Disorders)とも呼ばれ、社会生活を営む上で問題が生じる障害の・・・