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レット症候群の現状

発達障害の中には、女子にしか発症しないものもあります。それがレット症候群です。レット症候群が女子にしか見られない理由は、症状が現れる原因がX染色体の突然変異にあるためです。知能や運動能力の遅れと共に、手をもんだり叩いたり、口に入れるなどの反復行動を繰り返すとされています。

レット症候群の発症率は10万人に7人程度とされ、極めて稀な症例です。生後半年くらいまでは正常に成長しますが、その後発症し、2歳頃には発達の遅れが顕著に現れ始めます。また手足が小さいのも特徴で、歩行が困難になるケースも多数見られるようです。

発症後は他者への興味を失い、社会性が乏しくなりますが、表情はいつも笑っているように見えると言われています。また脊椎の変形や舞踏病様運動、過呼吸発作や息止め発作などが現れるようになります。さらにレット障害を持つ子供の多くにてんかんがあり、この発作が発症の引き金になるとも言われています。

発作の度に発達の停止と退行が生じるため、発作を防ぐことが症状の進行を防ぐ上で有効であるとされます。レット障害自体に対する治療法はまだ確立されておらず、他の発達障害やてんかんの治療を用いる方法が一般的です。

レット症候群になると自分で日常生活をこなすことが不可能になるため、24時間に渡る介護が必要になります。また他の発達障害と同様に、知能の程度に合った教育を与える必要が生じますから、専門家のもとで特殊な教育を受けさせることも必要になります。

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