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特定不能の広汎性発達障害の現状

発達障害の中には、特定不能の広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorder - Not Otherwise Specified)と呼ばれるものがあります。これらはPDD-NOSと呼ばれ、非定型自閉症(Atypical Autism)と同義語であるとされています。そのため、診断者によっては非定型自閉症と診断される場合もあるようです。

特定不能の広汎性発達障害は、自閉症やアスペルガー症候群、または小児期崩壊性障害などの診断基準から外れる場合に分類されます。特定不能と言われるだけあって分類が難しく、専門家ですら判断が難しい場合も少なくありません。そのため誤診が多く、有効な治療が受けられないなどの問題が起きているのも事実のようです。

特定不能の広汎性発達障害にはいくつかの条件と分類があり、症状がその枠に収まる場合にこの病名がつくようです。特定の広汎性発達障害や統合失調症、統合失調症型人格障害、回避性人格障害の基準から外れる場合がこれに該当します。また分類としては3種類あり、自閉症の発症年齢と合致しない場合・また年齢は合致しても症状が軽度で自閉症の条件を全て満たさない場合・また発症年齢と症状共に条件に合致しない場合に分類されます。

自閉症以外にも、アスペルガー症候群の症状が軽度で条件に満たない場合にも特定不能の広汎性発達障害に分類されます。自閉症とアスペルガー症候群に共通する診断条件は「社会性・コミュニケーション能力・想像力の欠如」ですが、これら3つ全てが揃わないと、自閉症もしくはアスペルガー症候群の診断はつかないことになっています。

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