発達障害の現状と注意点のTOPに戻る


学習障害の現状

学習障害(Learning Disorders:LD)とは、読書や字を書くなどの学習が困難になる障害で、発達障害の一種と考えられています。発症率は100分の1程度で、女子よりも男子に多い障害だと言われています。

学習障害は算数障害・漢字障害・漢字表出障害・特定不能の学習障害などに分類されます。たとえば文字は読めるけど意味が分からない、または漢字が覚えられない、鏡文字を書くなどの症状が見られます。

他の発達障害と違って知能の遅れはないため、障害の1つだということを理解してもらえず、ただの勉強嫌いだと思われて治療を受けられないケースも多数あるようです。

海外などでは学習障害に対する認知度も高く、支援も充実しているようですが、日本では学習障害という言葉自体まだまだ普及しているとは言えません。そのため単に怠けているだけだと決めつけられて辛い思いをするなど、周囲の理解を得られないケースが非常に多いと言われています。

学習障害は、発達障害の中でも症状が軽度であるとされており、日常生活に支障をきたすほどの重度の症状はほとんど見られません。とは言え、患者の3割が注意欠陥や多動性障害を併発するとのデータもあります。

学習障害は、適切な対処法により症状の改善が期待できる障害です。その他の発達障害と同様に、学習障害も個人によって症状の現れ方や度合いに差がありますが、程度に合わせた対処を施すことが大切だと言われています。

学習障害を発症している人の中には、自分に障害があることを知らずに大人になってしまう人も少なくありませんが、早い段階で障害の存在に気付いて対処することが、改善するための大きなポイントと言えます。

関連コンテンツ

注意欠陥多動性障害の現状

発達障害の1つに、注意欠陥多動性障害(Attention Deficit/Hyperactivity Disorders:AD/HD)と呼ばれるものがあります。これは落ち着きがない、多動性が高いなどの・・・

精神遅延の現状

精神遅延という言葉は、一般的にはあまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、知的障害と言うとピンと来る人が多いと思います。近年、国際学会が精神遅延という言葉を使用したことから、この表現が徐々に浸透しつ・・・

特定不能の広汎性発達障害の現状

発達障害の中には、特定不能の広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorder - Not Otherwise Specified)と呼ばれるものがあります。これらはPD・・・

レット症候群の現状

発達障害の中には、女子にしか発症しないものもあります。それがレット症候群です。レット症候群が女子にしか見られない理由は、症状が現れる原因がX染色体の突然変異にあるためです。知能や運動能力の遅れと共に、・・・

小児期崩壊性障害の現状

発達障害の中でも極めて重い症状があるとされているのが、小児期崩壊性障害(Childhood Disintegrative Disorders:CDD)で、小児期崩壊性障害について聞いたことのある人は、・・・

サヴァン症候群の現状

発達障害の患者には、知的障害や社会性の欠如などの問題が見られますが、一方で秀でた能力を持つケースがあります。 自閉症の一種に「サヴァン症候群(savant syndrome)」と呼ばれる症状があ・・・

自閉症の現状

発達障害の中でも最も広く知られているのが、自閉症です。現在では自閉症という言葉を知らない人はほとんどなく、世間における認知度もかなり高まっています。自閉症は自閉性障害の略で、別名カナー症候群とも呼ばれ・・・

広汎性発達障害の現状

発達障害の中でも多く見られるのが、広汎性発達障害です。 広汎性発達障害は、PDD(Pervasive Developmental Disorders)とも呼ばれ、社会生活を営む上で問題が生じる障害の・・・