発達障害の現状と注意点のTOPに戻る


サヴァン症候群の現状

発達障害の患者には、知的障害や社会性の欠如などの問題が見られますが、一方で秀でた能力を持つケースがあります。

自閉症の一種に「サヴァン症候群(savant syndrome)」と呼ばれる症状がありますが、これは発達障害の中でも非常に珍しい症状で、患者数は世界でも数十人と言われています。どのような症状なのかと言うと、あらゆる分野において、凡人離れした能力を発揮することができるというものです。

病名である「サヴァン」が、フランス語で「賢人」の意味を持つsavantから名づけられたことからも、この症候群の患者がいかに高い能力を持つかが窺えるのではないでしょうか。有名な例を上げると、ハリウッド映画の「レインマン」で描かれた自閉症の兄がサヴァン症候群でした。

日本人では、「裸の大将」として知られる山下清画伯もサヴァン症候群であったと言われています。

サヴァン症候群の原因は明確になっておらず、発達障害の中でも特に謎の多い症候群だとされています。異常な認知能力だという説もありますが、脳の器質因とする意見もあります。またケガによって起こる脳の再配置が原因だとも言われています。

サヴァン症候群に見られる特殊能力に多いのが、芸術的な才能です。山下清の例にもあるように、絵画の才能を発揮する人も多く、また音楽の才能を発揮する人もいるようです。

一度見た景色を写真さながらに描ける映像記憶の能力を持つ人や、楽譜を読めないにも関わらず、聞いた曲を耳で覚えてピアノで奏でることのできる人も存在します。また本の文章を一度で完ぺきに暗記できる人や、年月日を指定すれば瞬時に曜日を言うことができるカレンダー計算の能力を持つ人もいるようです。

関連コンテンツ

注意欠陥多動性障害の現状

発達障害の1つに、注意欠陥多動性障害(Attention Deficit/Hyperactivity Disorders:AD/HD)と呼ばれるものがあります。これは落ち着きがない、多動性が高いなどの・・・

学習障害の現状

学習障害(Learning Disorders:LD)とは、読書や字を書くなどの学習が困難になる障害で、発達障害の一種と考えられています。発症率は100分の1程度で、女子よりも男子に多い障害だと言われ・・・

精神遅延の現状

精神遅延という言葉は、一般的にはあまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、知的障害と言うとピンと来る人が多いと思います。近年、国際学会が精神遅延という言葉を使用したことから、この表現が徐々に浸透しつ・・・

特定不能の広汎性発達障害の現状

発達障害の中には、特定不能の広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorder - Not Otherwise Specified)と呼ばれるものがあります。これらはPD・・・

レット症候群の現状

発達障害の中には、女子にしか発症しないものもあります。それがレット症候群です。レット症候群が女子にしか見られない理由は、症状が現れる原因がX染色体の突然変異にあるためです。知能や運動能力の遅れと共に、・・・

小児期崩壊性障害の現状

発達障害の中でも極めて重い症状があるとされているのが、小児期崩壊性障害(Childhood Disintegrative Disorders:CDD)で、小児期崩壊性障害について聞いたことのある人は、・・・

自閉症の現状

発達障害の中でも最も広く知られているのが、自閉症です。現在では自閉症という言葉を知らない人はほとんどなく、世間における認知度もかなり高まっています。自閉症は自閉性障害の略で、別名カナー症候群とも呼ばれ・・・

広汎性発達障害の現状

発達障害の中でも多く見られるのが、広汎性発達障害です。 広汎性発達障害は、PDD(Pervasive Developmental Disorders)とも呼ばれ、社会生活を営む上で問題が生じる障害の・・・