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アスペルガー症候群の由来
アスペルガー症候群という呼称は、オーストリアの小児科医であるハンス・アスペルガーの名前からきていますが、ハンス・アスペルガーは小児期の自閉的精神病質という名称で4つのケースの子供に関する論文をまとめています。
ハンス・アスペルガーより先にアメリカの精神科医がまとめた早期乳幼児自閉症に関する論文が注目を浴びたため、1944年に発表されたハンス・アスペルガーの論文にはスポットが当たりませんでした。
状況が変わり、英語圏で注目を浴びるようになったのは、イギリスの児童精神科医であるローナ・ウィングが1981年にアスペルガーを見直したことが理由であると言われています。
世界的な診断基準のICD-10やDSM-IVにも、アスペルガー症候群の考え方が取り入れられ、その歴史は今まで続いていますが、ウィングはたくさんのケースの研究から、自閉症と診断が下されてはいないものの、社会性、コミュニケーション、想像力の3つ組の障害を抱えている子供が存在するということに注目しました。
この時代、自閉症の診断というのは、言語を用いたコミュニケーションが限られている他、他の人に対する関心があまりにもない子供だけに下されていて、言語によるコミュニケーションができていたり、一方的であっても人に対する関心を示す場合は自閉症として扱われることがなかったのです。
ウィングは、3つ組の障害を抱えつつも自閉症と診断が下されていない子供たちの中には、アスペルガーの発表した例と近い子供がいることから、アスペルガー症候群と診断を行うのが相応しいとしました。
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