発達障害における薬物治療の効果

発達障害の治療において、薬物療法が行われるケースがあります。発達障害があると感情の起伏が激しくなり、コントロールができないという症状が多く見られます。また多動傾向が顕著に見られたり、執着心や強迫観念が強い・あるいは反復行動や自傷行動がある場合も少なくありません。

発達障害の特徴でもあるこれらの症状は、二次障害を引き起こしたり、危険な状況を招きかねません。そこで薬物治療を用いることによって、患者を落ち着かせ、様々なトラブルを回避することができると考えられています。ただし、薬物治療には副作用のリスクもあることから、深刻な症状がある場合のみ使われ、安易な使用は避けるべきとの考えも多く聞かれます。

発達障害で多く見られるのが、決められた予定を変更されることを嫌う習性ですが、この症状がある患者は、予定を変更されることで強い不安感を抱きます。この不安感を和らげるのに有効なのが、リスペリドンやピモジドなどの坑精神病薬です。また多動傾向の強い患者には、中枢神経刺激剤のリタリンが有効だと言われています。

強い執着心や強迫観念が見られる場合には、中枢興奮薬のコンサータが多く使われるようです。いずれの場合にも、脳の機能障害が原因とされていますから、適切な薬物を効果的に投与することで、効果を上げることができます。これらの薬物治療は保険診療の範囲で行われるので、就学前の子供であれば自治体によっては無料で、またそうでない場合でも2割の自己負担で受けることができます。


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